ドイツに来てしばし驚くことは、「家族の形態」のありかただ。私の中の常識をくつがえすドイツ人家族に何回か会ったことがある。
 たとえば、知り合いのノベルト(私の友人のノベルトではない)。
 そのノベルトは私達の友人の友人だ。はじめて会ったのは私があまちゃんを産んで3週間もした頃。「芸術家を呼んだり、色々なお店を出すイベントをするからおいで。」と彼に招待され、生まれたてのあまちゃんを車に入れて、北ドイツのエルベ川に向かって4時間。当然、私は乳児がいたから行きたくなかったが、ドイツ人は声をそろえて言った。「赤ちゃんには新鮮な空気が必要。家にこもるべからず。」だから、彼を訪ねて美しいエルベ川沿いの町ビッテンベルグに小さい小さいあまちゃんとパパと共に行った。あまちゃんのはじめての旅行。

期待どうりビッテンベルクは申し分なく美しい川とコウノトリの巣が沢山あって素晴らしい町だった。

そう、私が言いたかったのは旅行のことでなくて、このノベルトの家族だ。当時、ノベルトは、農家を改装した広い家に大きなガーデンと共に住んでいて、2才になる息子も一緒に住んでいた。ふと「ノベルトの奥さんはどこだろう」と思った私。どうやら彼女は下の階にいるらしいが、私達に挨拶にまったく来ないし、食事の時間になっても姿も見えない。しかし2才の息子はパパとママの間をいったり来たりしていた。
そこでこっそり聞いてみた。「ノベルト、奥さんはいるんだよね?」
「いや〜、離婚したんだよ。でも同じ住居に住んでいる。子供にとってもその方がいいし・・・」このくらいでもけっこう驚いた私だったが、もっと驚く事実が。
ノベルトいわく、奥さんはレズビアンに転向したいらしい。
その奥さんの新しいパートナー(もちろん女性)も一緒に生活しているというではないか。「奥さんが他の男性の元に行ってしまうのは嫉妬するが、レズビアンならそれよりまし。嫉妬もないよ。」と言うノベルト。??そうなのか?

ふと、私達の借りた部屋のベットの脇に「天使からのメッセージ」のような本が見えた。表紙をみると、ノベルトのもと奥さんへの新しいパートナーからのプレゼントで手書きで温かいメッセージが書いてあった。繊細さと優しさが伝わった。なんかそれを見てしまった時、ふと女の人に惹かれた彼女の気持ちがわかったような気がした。

それにしても、同じ屋根の下にノベルトとレズビアンのもと奥さんとその彼女、そして息子の4人が仲良く?暮らしている。
なんか小説でも書けそうな不思議な家族を見た日だった。

ちょっとネタも切れてきたし、たまには私の知っている個性豊かなドイツ人たちを報告しよう。といっても有名な人とかでなく、ごくごく普通に私のまわりで生活している人達。

まずは私達の隣に暮らしているギョークおじさん。この人がおもしろい。
はじめて会ったのは、私達の住むアパートではなくトルコ料理屋さんで友達とランチしていたとき。ごはんを食べながら横を見ると真っ黒な服にこれまた黒いスカートみたいな服を巻きつけたおじさんがこっちを見つめていた。「あの人、おかしいよ。」と友達もつぶやいた。しかしそのときは知らなかった。この人が私の隣人になるなんて。

その2日後あたりに昼間、ドアを強く叩かれた。ドアを開けると
そのトルコ料理屋で見たおじさんが立っている。かなりファンキーな印象をうけた。
「火はあるか?タバコ吸いたいんだけど・・・それとこれから君達の横に暮らすから。よろしく!」と言われた。私はライターを持って、その新しい隣人の部屋に一緒に入ってみた。びっくりしました。壁が黄色と赤色に派手におじさんによって塗られていた。ちょとおびえながらも興味を持った私は「一人で暮らすんですか?」と質問してみた。
すると「ははは、一人だよ。僕はもう60歳なんだ。それゆえにこれから一人で新しい生活をする。」彼が60歳?若い、若いよ。
60歳といったら初老なんじゃないの?このおじさんはその後、毎日のように、ロックをガンガンに鳴らして、しかもロックバンドのメンバーだ。ドラムを叩きに錆びれた工場に練習も行って
いる。そして、でっかいハーレーを黒パンでイージーライダーのように乗り回している。
なんていったって、玄関のマットレスは革命家チェ・ゲバラである。きっと30年以上このスタイルできたに違いない。

最初の頃、夜中の2時とかにロックをガンガン鳴らすので苦情に行くと「ごめん、ごめん、今のはお試しでボリュームをあげたんだ。お試しだったんだ。」と言われた。ちなみに私はその横の部屋で静かにピアノ曲など聴いている。

このギョークおじさん、実は親切でオープンな人なんです。重い洗濯機を運んでくれたりと力仕事も嫌がらずしてくれる。パパより力持ちだ。

私にとってギョークおじさんは60代に希望を与えてくれた。
彼は仕事も音楽も恋もおしゃれもバリバリとしている。ヤンキーおじさん、すごいぞ。

あいかわらず火曜日だけ障害者のホームに行って、障害者のみなさんに友人ノベルトと音楽を教えている(というかわいわいと皆なで楽しんでいる)。
はっきり言って、いつも行く前は足取りは重い。なぜならノベルトがけっこう好き勝手にやっているクラスなので、私がいなくてもいいじゃんという思いと「それなのに、小さいあまちゃんを家に残してまでも行った方がいいのかなぁ?」と心が揺らぐ。

でも、今日思ったこと。はっきり言って心に栄養もらいました。なぜならみんながあたたかいというか、ちやほやしてくれるのだ。ドイツだからか、ここのホームが特別なのもあるのだろうが、とってもみんなフレンドリーだ。障害者達は「えりか、えりか」とみんなハグしてくれるし、肩をマッサージもしてくれる人あり。ありがとさん。働いているメンバーもやけに親切だ。「なんか素敵になったね」とか「ノベルトは本当にえりかと働けて幸せだよなぁ。」と言われたり・・・・こんなこと言われたら調子づくでしょ。やっぱり、これからもここに来よう。私が必要とされていたのねなんて嬉しくなってしまったのでした。といっても私が特別なのではなく、彼らは誰に対してもそのように接する人達なんです。だって、この音楽のクラスだって「ここにあなたがいるっていうことは素晴らしいね」って一人一人に歌うことではじまってハーモニカ吹いて、太鼓叩いて。みんな機嫌もいいに決まっている。

一人のママとして育児や家事に追われているばっかりだったら、こんな思いはなかなかできないかもな。と思った。確かに家にいるときは家族に必要とされていることはわかるが、別に「ありがとう」なんて母の日でない限り言われない。特に子供には見返りなしに世話するのみ。

たまに外の世界に行って、優しくされ、ハグされることがいかにママにとって(ママだけではないですね)癒されるって思い知った。

とは言っても、どんなにクタクタでも家族、子供ができて思ったより本当に嬉しい。さっきリンクしてみたCare the Worldの「心に栄養」を読んでちょとウルウル。 育児をしているお母さんがた読んでみてください。




あまちゃんではなくて、お友達のまりあちゃん。今日、一緒に遊んだ。ドイツは寒いので、庭で遊ぶときはこんな格好になる。お魚屋さんスタイル。


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