週末の話しに戻ります。ヨハナおばあちゃんの老人ホームを訪問した後、少しだけ時間があったので、小さな野外博物館に行ってみました。


ミュンスターのミューレンホフ野外博物館という場所です。
ちょうど夏まつりをやっていて、入場料もいつもより安かったし、何やら特別な日でした。
ガイドさんもいて、昔の人の暮らしや道具、工芸品などを見せてくれました。
面白かったので、少し紹介しますね。


農家の人達は昔はこんな家に住んでいたようです。150年以上前の家(もっと前?)だと思います。


家の中にこんなベットが作られていていました。それが、赤ちゃんのベットぐらい小さいのです。
昔の人は足を真っ直ぐにして寝れるスペースはなかったそうです。足を伸ばして寝るのは、死んだ後ってガイドさんが言っていました。


400年前のランドセルなんだそうです。
木製で重いのです。チョークを入れて、ランドセルの背をノートの代わりにして、その上に文字を書いて勉強していました。


昔のアイロンがびっくりするほど重いのです。私には持ち上げられません。


150年以上も前の小学校もありました。
全学年が一部屋で、学んでいたそうです。
春や夏は農作業のため学校には子どもたちも行かれませんでした。
冬は、とても寒くて先生は子どもより2時間も早く来て、ストーブに火を入れていたそうです。部屋の真ん中にストーブがあります。


ニコ君が先生になりきっています。


昔の算数を教えるそろばんのようなもの。
昔の人の文字も今と、少し違っています。昔のアルファベット表をもらってきました。


場所は代わって、昔の靴工房。


色んな時代の靴が展示されていて面白いです。


こんな靴を履いていた時代があったなんて....


昔の手工芸。素敵なレースが沢山見られます。もっともっと、手を使って生きていた時代です。


パン工房。かまどの中を見てみなさいと、工房の中に入らせてもらいました。


美味しそう....。


外でさくらんぼのパンケーキを買いました。
焼いたパンケーキをポーンってフライパンから投げてくれます。
パンケーキ、ほかほかです。


後ろに粉引き水車が見えます。


ニコ君がジャンプして、得意顔。


錫で人形を作っているコーナを覗いていたら、突然、守護天使をいただきました。「きっと、あなたの事を守ってくれるよ」なんて言われました。


アマデウスは、発達障害があって時間や時代の感覚がなかなか掴めません。でも、歴史や昔の人の生活や暮らしに興味があるみたいで、ガイドさんの横にくっついてずっと話しを聞いたり質問していました。
こんなに興味を示す子はめずらしいって....。担任の先生にも、同じ事を最近、言われたのです。
アマデウスは心が今を生きているというより、過去や未来に飛んでいるのかもしれないです。

私も不思議に古いものや過ぎ去った昔の話しなど好きなんです。クラシック音楽が好きなのもきっとその一部です。

アマデウスと一緒に、色々と自分たちなりに学べるチャンスがあることにも気が付きました。


アマデウスの通っているシュタイナー学校では、なんと「サーカス」という授業科目が週に2回あります。
夏休み前に、学校でサーカスの公演もあるんです。

昨日は、そのサーカス公演がありました。


なんか、サーカスと思うとワクワクした楽しい気持ちになるのは、なんででしょうか.....。先生達の音楽バンドがまた場を盛り上げてくれます。テナーサックスを格好良く吹いている方は、日本でいう用務員のおじさんです。


アマデウスはどこにいるでしょう?
お皿を回したり、玉乗りしたり、火が付いている3本の棒をグルグルとまわしたり、一輪車に乗ったりと、私には、できないことばかり.....。
練習すると、色んなことが出来るようになるんですね。


火のショーもありました。


ニコ君が、それを見てびっくり。3時間もあるのに飽きないで、見ていたよ。


合間に出てくるピエロが、笑わせてくれて、
それもまた楽しいのでした。

ドイツでは、子どもたちを中心に「サーカス」が人気なんです。見るだけじゃなくて、自分達でサーカスを練習して、大人と一緒に舞台を作っていきます。

サーカスの先生がまた楽しい先生で盛り上げ上手。沢山の拍手と笑い声、みんなで楽しい夜を過ごしました。

ヨハナおばあちゃん、脳出血から回復に向かっていたけれど、次は骨盤を骨折して、リハビリが出来なくなり、今は老人ホームに短期入居しています。


ヨハナおばあちゃんに、会うために老人ホームに行って来ました。

「ママ、老人ホームの階段がおもしろい〜」
って子どもたちが入り口で言っていました。
本当に普通の階段とは、ちょっと違います。
傾斜が緩やかで、段差も低い長い階段です。


おばあちゃんが、会う度におしゃべりになって、元気そうなので安心しました。

前回、夫だけが行った時は、自分のせいで骨折したこと、退屈な老人ホームにヨハナおばあちゃんが泣いていたと聞きました。

目もあまり良くないということなので、退屈しのぎに、朗読劇の入ったCDを買って持って行きました。本屋さんのお姉さんにアドバイスをもらって買ったのが、ケン・フォレットの「大聖堂」という本のCDです。これは、時代小説として面白いって聞いていて自分でも前から読んで見たかった本なのです。ヨハナおばあちゃん、楽しんでくれるといいな。

老人ホームの職員さんが、コーヒーが買える
みんなの共有スペースを、教えてくれたので
そこで、コーヒーなどを飲んでおしゃべりを楽しみました。昔の話しや孫やひ孫のことなど......。


午後にお祭りでサーカスに出るハナルナは、色々とポーズを決めて、おばあちゃんに見せています。


子どもたちのために、職員の方がボードゲームまで、持って来てくれました。でも、ニコ君が邪魔するらしく、上の2人がブーブーと文句を言っています。

ちょうど、日曜日の朝はミサの時間で、他のおばあちゃん達はホーム内のチャペルに行っていました。オルガンのバッハの生演奏が聞こえてきます。この間、ピアノの発表会でバッハの曲を弾いたので、やっぱりこのまま
バッハも勉強して、いつか、自分が老人ホームに入った時にバッハを素敵に弾けるおばあちゃんになりたいって思いました。
まだ、それまで40年位あるから、間に合うよね?


ヨハナおばあちゃんに会えて、楽しい日曜日を過ごせました。次は土曜日に会えそうです。

「ときどきデンマーク」の、ゆうちゃんです。

えりかとは5歳からのお友達。えりかは明るく、賢く、優しく、芸術肌でピアノも上手なのです。そして、笑いの神様がついていて、お話しをすると、お腹が痛くなるほど笑わせてくれます。虹色のオーラを持つ発達障害のアマデウス君、天才肌を持つハナルナちゃん、奇跡体験をしたニコ君、そんな素晴らし子達の母親こと、えりかに「ときどきデンマーク」を頼まれたのでは・・・はい、本当にときどき登場させていただきます。(笑)

私はデンマークのコペンハーゲンにて、2009年より特別支援学校(小・中)で教育指導教員として働いています。現在は0年生から3年生の担当、2年生のクラスの担任をしています。私のいる学校の生徒は皆知的発達障害を持っている、自閉症やADHD(注意欠陥多動性障害)を持っています。夏休み明けの新学期からクラスの生徒が9名に対し講師2名、特別指導教員3名、サポート2名で支援を行います。学校には生徒が約90名、職員約90名います。
私の学校ではTEACCHやニューロ教育学等に基づきながら、スペシャリスト達と共に生徒一人一人へプランと支援を行っています。プランは講師、特別指導員、作業療法士、理学療法士、児童心理学者、保健師と共に細かく立てます。

「ときどきデンマーク」で、学校での事、デンマークで気になったニュースや番組、不思議な出来事、奇跡な出来事など色々な情報を、ときどき発信できればなと思います。

昨日は、9年生の卒業式でとても感動しました。7年前に出会った生徒がこんなにも成長して卒業して行く姿、本当に素晴らしいです。お母さんお父さん方も目がウルウルしていました。
なにより、私の同僚が号泣していました。つられて私もウルウルです。
入学当初は、言葉が話せなく、自己表現ができなく、鉛筆も持てなかった生徒がたくさんいました。卒業式で彼らが舞台に立って、はっきりとした声で、自分で書いた心がこもった文章を、大勢の教員・生徒の保護者・関係者の前で読みあげました。卒業式、素晴らしかったです。
保護者の方々と面談をする中、母子家庭で3人、4人育てる方もいました。2人とも自閉症の子をもつ方もいました。途中、失業と子育てで苦しむ方もいました。離婚する方もいました。本当に色々な問題と悩みを抱えながら、必死に発達障害の子を育てるという姿を見てきました。生徒だけでなく、保護者の方々に本当におめでとうございます!です。心からとても尊敬しています。

さあ、夏休みの始まりです。ワクワクしてきますね。

一緒にワクワク、素敵な夏を過ごしましょう。



↓男の人魚、2012年6月2日に誕生したHANはコペンハーゲンから北へ車で20分のHelsingørという町で見られます。人魚姫より、HANの方が私は好きですな。(笑)
写真が横ですみません・・・えりか直して!
男人魚

友だちのN子さんにピアノを習って、1年ぐらいになったでしょうか。
N子さんは、ピアニストや伴奏者としてのお仕事だけでなく、ピアノの先生としても働いています。

今までの私のピアノの先生は難しい曲は弾かせてくれたけれど、横で優しく見守ってくれているだけだったと思います。きっと、音大の道に進む方向でやって来てないので、お互いに楽しく弾ければいいって思いだったんです。

でも、おばさんっていう年になってしまったけれど、もっともっとピアノが上手になりたいって気持ちが出てきて....

N子さんに、話したら、その気持ちを真剣に受け止めてくれました。はっきり言って、変な癖がついているし、子どもを教えるより大変だと思います。
でも、子どもになったつもりで、基本的なことからもう一回、チャレンジしていきたいです。

それで、昨日はN子さんの、ピアノの生徒さんと、もう一人バイオリンの先生と生徒さん達も来て、「発表会」でした。

子ども達があまりに、キラキラとしていて圧倒されました。みんな、レベルもスキルもさまざまです。将来は演奏家?って子どももいるし、習いたての子もいます。でもみんな、光るものって各自、あるんですね....。

私は生徒の中では、最後でした。ドキドキして変な汗が出ました。曲はバッハのイタリア協奏曲の一楽章を弾きました。心が元気になれる大好きな曲です。

ピアノを人前で弾くと、自分のベストの演奏は弾けなくて、70パーセントぐらい。少し凹むけれど、もっともっと頑張ろうって力が湧いてきます。

N子さんが私の弾いた後にバイオリンの音大生と難しいブラームスの曲を弾いていました。やっぱりN子さんは、人生、ピアノだけに向き合って、ドイツに来て、プロの道で生きている方。尊敬と憧れで見つめてしまいます。
N子さん、昨日はどうもありがとうございました!


N子さんのピアノです。グランドピアノ、いいなぁ。
ピアノが弾ける人生なら、ささやかな暮らしだろうがなんだろうが幸せなんだそうです。うん、うん。その気持ち、わかります。


グランドピアノの横で、おこげ先生というパンダ先生が、いつも見守っています。垂れ目だから、怖い先生じゃないのです。

好きなことは、下手でも何でもやり続けていくよ、おこげ先生....。

では、みなさん、良い週末を!


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