マルタが33才の誕生日だったとのことで、ボンにあるライン川のほとりのカフェでのブランチに呼ばれた。私達はシングルマザーの子持ちの彼女にリラックスしてもらおうとバスセットとキャンドルの詰め合わせと春らしいチョコレートをプレゼントに選んであまちゃんも連れてカフェまで行った。

ちょうどお天気も良くて、川も近いしブランチもおいしくて大満足。20人くらい彼女の友達やら知り合いが集まっていた。



あまちゃんもブランチ。外にも席があったり、ガーデンがあったりで子供もけっこう来ていた。



手前の女性がマルタ。奥に座っているのはマルタの友達とマルタのあかちゃん。このマルタの友達は9歳の息子がいたのでびっくり。若いママだなぁ。

2,3時間ほどダラダラとブランチをして、近くのボンの美術館に私達家族は行った。
アウグスト・マッケの絵が素敵だった。

ところで、家の近くに3日間だけあらわれた移動遊園地。キラキラネオンと陽気なジャズ音楽とわた飴やソーセージなどの屋台で心踊るあまちゃんだった。



白鳥も舞っていた。あまちゃん、はじめてこのアトラクションにチャレンジ。



男の子は車のメリーゴーランドがやっぱり好き。いちいち手を振ってくれてかわいい。



ちょっと見せたくないけど見せてしまおう。こんなにお腹が大きくなった。あと、予定日まで1ヶ月。

昨日の夜、10時過ぎにやっと学校から帰ってきた夫。
「遅いね〜何をしていたの?」と聞いたら「会議があって、そのあとに4年生から6年生を対象の性教育の説明会があったんだ。でもちょっと6年生には向いていなそうな性教育だったからまっすぐ帰ってくればよかった。」と言った。「ふ〜ん」と聞き流した私。そして、ぐったりとテレビを観はじめた夫。

なんかつまらないなぁ・・・・・。

「ちょっと、テレビを観るのやめようよ。あのさ、そのドイツの子供たちへの性教育に興味があるから説明してよ」と実は最初は聞く気はなかったけど、退屈のあまり言ってみた。
「本当に聞くあるの?」「うん」と言ったら夫はテレビを消して説明してくれた。

・・・それにしても、その性教育の内容が私にはおかしかった。どうやらクラスの先生がやるのではなく一日講師が来て授業を受け持つらしいのだけれど、たとえばこんな性教育(ちなみに男の子と女の子は別れておこなうとのこと)。男の子の全員に白い尻尾のついた帽子を配って被ってもらう。それがつまり精子君とのこと。そのまま、みんなで体育館のようなところに行く。そこには滑り台のような舞台が設置してあって、一斉にみんなでそこを滑って、走って競争する。どうやら向かい側には卵子も設置してあって一番にたどり着いた人が受精できる。
と、このように生徒ひとりひとりが体で精子になったりするらしい。
女の子も長い赤い布を体育館に敷いて、生理を表現したり、2つの卵管のトンネルを作ってくぐったり、とにかく凝っていて、そこまでするかという感じ。

たしかに4年生にはいいかもしれないけど、最近めっきりとクールになって音楽の時間では歌もうたってくれなくなった6年生は難しそうな内容だなぁ。

でも、男の子が各自、帽子を被って精子になるというのを聞いたとき、「それってウディ・アレンのあの映画にそっくりじゃん」と思った。それは「ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう」という長い題の映画の中の「ミクロの精子園」という章のこと。あまりに馬鹿馬鹿しいのだけれどおもしろいシーンだったので、夫と2人で思い出して肩を震わせて夜中に笑ったのでした。(暇な人、観て下さい)

                       *

映画といえば、ここ最近「バベル」という映画を観たのかと聞かれる。どうやら東京が舞台の一つになっているらしいのと、内容もおもしろいらしい。ドイツではもう14週くらいやっていて来週くらいで終わってしまいそうな勢いなのでぜひ観に行きたいのだけれど
夜にしかやっていないみたいだし、お腹が張っているから厳しいかな。

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私の町は本当に小さい町で何も楽しいものなんてないのに、なんでか一日にして大きい移動遊園地が来たことに今日、気付いて驚いた。歩いて200メートルもしないくらいのところなのに苦しくてそこまでたどりつけない。でも、窓を見るとキラキラのネオンが眩しくて楽しそう。あまちゃんと夫がお土産をもってきてくれた。移動遊園地の屋台で絶対売っているレープクーヘン。よくもらうけど、もったいなさとまずそうで食べたことが
ない。そして真ん中にはメッセージがかならず書いてある。



あまちゃんが首にぶら下げながら、手渡してくれた。書いてある意味は一般的には「お気に入り」という意味。でも「お気に入りの人」とか「愛する人」とも受け取れる。ありがとう!ちなみに味はシナモンと砂糖の味がする。

ホメオパシーの薬が体に合っていたのか眩暈もおさまって順調、順調。
そういえば本日、怖い夢をみた。こんな夢。お腹がもぞもぞと動いて皮の下から赤ちゃんの頭の形と足がくっきり浮き出てきたので、あわてて「産まれる〜」なんて言いながら、看護婦さんに助けを求めたら、その看護婦さんが私のお腹をパンをこねるみたいにまた丸めはじめた。しかし、そんな努力にもかかわらず、お腹が再び、人間の形になって、気付いたら16歳くらいの男の子が誕生!「こんにちは!あの〜女の子が来ると思っていたんですけど・・・」と挨拶しているまぬけな私。それにしても、ホラー映画かと思ってしまって冷や汗が出た。

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私の夫は私よりかなり年上で40さいをとうに超えたオジサンだが、たまに「あなたって小学生?」と思ってしまう。たとえば、このあいだ「あのさー、おたまじゃくしが学校の裏の池にあるんだけど持ってきていい?」と夫に聞かれて「だめだめ、基本的に毛のない生き物は駄目だから。しかも、おたまじゃくしっていうのは蛙になるんだよ」と答えたら
「蛙になりそうになったら、また池にもどすからいいでしょ?」と説得され、とうとう昨日、タッパーに入ったおたまじゃくしが我が家に到着。
まだ1.5ミリくらいの小さいおたまじゃくしちゃん。小さいのに存在感があって、みんな一日に何度も見ている。

ところで、おじさん扱いをされているかわいそうな夫だが、この間、夫の実家で家族のかつての20年前ほどのスライドを見た私。驚いたことに夫が20才の頃ってすごいカッコイイではないの。「この人、誰?」って真剣に聞いていた私。「僕だって」というから「えっ!!」と驚いた。この頃、付き合いたかった・・・・。でもその頃の私って小学生
だったからなぁ。
「すごいかっこよかったんだね」と言ったら、「過去形なんだね」とその後、一生懸命、顔のしわを伸ばしたり、髪の毛をくしゃくしゃにしたりして、鏡を見ていたのでおかしかった。

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あまちゃん、元気に見えるけどゴホゴホと咳が止まらず、さきほど小児科へ行ってきました。待合室で、他の子供はぐったりとママのおひざの上に乗っていたけどあまちゃんだけは、ゴホゴホさせながら走りまわっていた。
あまちゃんの番がきたら、またもやかっこいい20才くらいにしかみえない医大の研修生
が来た。なんか若くてニコニコしていて実習を楽しんでいるようにもみえた。「いいなぁ、私も小児科の先生になりたいな」とふと思ったが、この間あまちゃんが怪我したときのパニックになった自分を思い出して「無理無理・・」なんて心で思った。

ところで、彼はやっぱり研修生だったのか、耳を見せるのが嫌で泣きわめくあまちゃんを押さえつけれることができず、いつもの先生が後ろからやってきた。余裕で押さえつけて、テキパキと薬の指示。やっぱり、長年やっていることはある。

咳だけかと思っていたら耳もまた少し炎症があるという。三種類のお薬を処方してもらう。薬屋さんではねずみのついたバックをもらいその中に薬を入れてもらった。子供のお薬って注射器みたいので吸い取って、口にそのまま運んだり、スプーンがついていたり味もなめたらかなり甘くておいしい。    

しかも、ドイツで出産から予防接種、健診、そしてそのほか病気になったときの医療費と薬、一回もお財布をだしたことがない。助かっている。

                          *

パン屋のおばちゃんがあまちゃんが通るたびに、試食用のパンやらケーキを渡してくれるので一緒に行くと思わずパンを買ってしまう。「チョコレートの丸パン」があまちゃんのお気に入り。ただの丸パンにチョコチップが入っているだけだが、おいしい。
夫は「AOKのパン」AOKというのはドイツの有名な健康保険会社で、そのとおりなにやら健康な味がする。私も本日、お気に入りのパンをみつけた。「カタツムリのピザパン」。カタツムリは入っていないのだけれど渦巻き状のパンにトマトソースが入っていてチーズがかかっているパン。これ、おいしいな。



こんな画像がでてきた。ふぬけなあまちゃん。この間、春日和だったので初のアイスを食べた後。眠そうな顔。それにしても汚いなー。横の巨大犬が凛々しく見える。

ちょっと今週の体調は不調だった。この間、夜中にみんなが寝たあと、布団に入って眠れないので「あんな10センチもある頭がどうやって体から出てくるんだろう(前回、帝王切開になって想像できない)?」とか出産の不安を悶々と考えていたら突然、地震が来たように目の前が揺れはじめて眩暈が起こった。

どうやら上を向いて静かにしていれば揺れは止まるようだったけど、横を向くとグルグルするらしい。で、上を向いていたらそれはそれで、心臓と肺が圧迫されて苦しい。横は向けないし、上を向いても調子が悪いからその日はほとんど眠れなかった。

次の日もうつむくと眩暈が起こって、手元で飲んでいる飲み物とか見ることもできなかった。視線はいつもまっすぐ。こんな生活になるとマタニティーブルーよりよっぽど辛いことがわかった。

どうやら血液の循環に問題があるみたいなのと、夜に眠れないのに昼間にゆっくり休めないので疲れがでるらしい。心配ごとも考えると体によくないみたい。

今週、たまたま健診があったので産婦人科に行ったけど、そこでも靴を脱いだりズボンを脱いだりするたびに足元を見るのでフラフラしてしまって、「眩暈がして、船の上のようなんだけど」と言ったら女医さんが心配してくれた。「1人目の妊娠の時は全然問題なかったのだけれど、2人目は休めないからきつい。」と言ったら「夫は協力してくれるの?あなただけの子供じゃないのだから、もっと夫にもあまちゃんの面倒を協力してもらうように。協力してくれなかったら、あなたを強制入院させると伝えておいて。」といわれた。女医さんは女の味方だな。それにしても夫は仕事が忙しいし、学校の生徒はどんどん思春期になって難しくなってきているし、家ではあまちゃんはアクティヴで走りまわっているので私達は2人でアップアップしていたのだけれど、これ以上私達はどうすればよいのかな?

さらに言われたことが「あなたは小さいタイプなのよ。私のお腹を見て。こんなにスペースがあるけど、子宮が普通より小さいのに赤ちゃんがパンパンに入っているから苦しいのは当たり前よ」。医者が言うのだから間違いはないのだろうけど、私の身長は158センチで痩せてもないし、小さいと思ったことはなかった。私より小さい日本女性はどうなのだろう。
たしかに私より小さい友達がドイツで妊娠したとき、お腹のスペースがなくて背中まで盛り上がってきたと聞いたことはあったけど。
ふと気付いたけど、だから日本では妊婦の体重制限にうるさいのかな。なんにも言われないので食べたいものを食べたいだけだけ食べている自分に唖然とした。妊娠前よりすでに10キロぐらい太った。子供を小さくコンパクトに産むということにまったく努力していなかった。反省、しかし今からでは、もう遅いような・・・。

女医さんにはビタミン剤とホメオパシーの「血液の循環をよくする薬」を処方してもらって今はなんとか眩暈はおさまっている。
苦しくなると「もう入院しちゃおうかな・・・」と夫の耳もとつぶやくのも効果があるみたい。

とは言ってもまだまだ予定日まで1ヶ月半もあるとは。まだまだ。

この間の週末はドイツも冬が過ぎたのか、ポカポカ陽気だった。土曜日のこと。我が家から1時間10分ほど自動車を走らせるとボンという町に着く。ボンには夫の元彼女だった(1年ほど付き合っていた)マルタと彼女の5ヶ月になる息子が住んでいるのでちょっと遊びにいくことにした。

夫の元彼女って微妙だと思うがもう私は気にしていない。もとはと言えば私が「ねぇー妊婦用のスポーツできるズボンない?」と彼女に電話で聞いたことからみんなで会うことになった。

ところでマルタはドイツ人ではなくてハンガリー人だ。32歳。しかも、バカンス中に知り合った若いフランス人と計画外で子供を作ってしまった。きっとそのフランス人は中絶してもらいたかったのかもしれないがマルタはその子を一人でも育てることを決意。彼女はドイツでガーデンの先生として働いていたし、シングルマザーとして国から金銭的な助けももらえるとのこと。驚くことに子供が3歳になるまで働かなくても、働いていたときと同じ額くらい援助してくれるとのこと。外国人にこんなに援助するドイツはすごいと思う。(パパだってドイツ人ではなくフランス人なのに)

住んでいるところも国から援助を得て安く借りているアパートというが中を見たらびっくり。3部屋もあった。しかも、彼女は暇でネットを通して色々と安く買うのが趣味になってしまったのか、それらのベビー用品やら家具などがゴロゴロと部屋にあって私達よりよっぽど豊かな暮らしにみえた。「このシャンデリアも安く買ったの」なんて、各部屋の電気はシャンデリアだし、子供のベットのほかにダブルベットは2つもあった。

みんなでベビーカーを押しながら散歩に行くことになった。ボンは私達の住んでいる町よりすこし暖かいのかもう桜は開花されているし、色とりどりの花が咲いて美しかった。

その後、みんなで川沿いのカフェに入ってランチ。ちなみに私は甘辛の鶏肉とホイルに入ったジャガイモにハーブチーズがかかっているものとサラダを頼んだ。太陽が出ていて
カフェの外で日光浴を楽しみながら食べた。しかも、これもマルタにおごってもらってしまった。

カフェで聞くことにはマルタは本日、夕方から最近知り合った人とデートするという。しかも、ドバイから来たアラブ人と。「なんか危なくない?」と思ったし、興味があったので私達親子も夕方5時の待ち合わせに一緒にいった。

ドバイから来た男はとっても親切に見えたが私にはやっぱり怪しいと思った。怪しいのは
29歳のくせにまだ彼女ができたことがないと言っていること。そのくせにもうマルタに道の真ん中でキスとかしていた。(挨拶のつもり?)そんな2人をチラチラみながら私達はボンの南の地区を散歩。お城があるからか、どの建物もバロック、ユーゲント様式で美しかった。

ドバイ男はマルタのために夕ご飯を作ったとのことで、私達はそこで別れたけどその後なにがあったのかは知らない。マルタの新しい彼になるのかな?

それにしても、5ヶ月の子を抱えて、フットワークが軽そうにみえても実はしっかりとシングルマザーとして生きている彼女に「私にはできないかも」と個人的に感心してしまったボンの週末だった。


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