あっと言う間にドイツの子供たちは2週間の秋休み。夏休みが終わったばっかりなのになぁ。でもここ最近、本当に秋風がふいているし、紅葉も見るようになった。私たちも子供達と栗を拾いに行ったり、どんぐりを見つけたり秋を感じるこの頃。

パパと初めて一緒に散歩したのもそういえば秋だった。「一番好きな季節は何か?」と聞かれ、散歩道の紅葉が綺麗だったので適当に「秋が一番」と答えたら「僕も絶対に秋が一番と思う」と言われ、意見が一致して、シャンソンの「枯葉」を口ずさんで歌いながら散歩したあの時はまさかこの人と結婚するとは考えてなかった。出会いというのは不思議だ。

この一週間、また色々な人と出会いがあって嬉かったり厄介だったり。なんせ神経が敏感になっている最近だからか強烈な人と出会うと眠たいはずなのに夜中の3時、4時まで眠れなかったり。そして、その人と話した内容がベットの上でグルグルと頭の中を駆け巡る。

今日は反対に気を使わなくていい友人代表のノベルトに久しぶりに会った。なんせ、夏休み以来ずっと顔を見ていなかったのだ。電話がかかってきて「ピザの生地を仕込んでいるので来い」と言われて食べ物に弱い私は「ビザ?今から行くから待っていて」と言ってバスに乗って駆けつけた。

ノベルト宅に着くと、男なのに妙に器用に彼が台所でピザを作っていた。「こりゃぁ、私のピザよりおいしそう・・・」と私は後ろから「上手だねぇ」と感心の声をあげた。
それにしてもピザの残った生地でミニパンを作り、それに付けるハーブバターまで手際良く作る彼はすばらしい。

焼きあがったピザはツナとトマトとリング状のたまねぎが乗っていて本当においしかった。テーブルをセットしロウソクまで灯してくれて男とは思えない繊細さ。「ノベルト、あなたは料理の天才!」と言うと「じゃ、僕レストランを開こうかなぁ」と向こうも調子づいていた。

それから、私たちはその巨大なピザを食べながら彼女がいないノベルトの好きな女性のタイプやら家族のことや趣味の音楽や旅行のことをテーマに話した。アイルランドやタイ旅行の写真も見せてもらい盛り上がった。

彼のいいところは自分のスタイルが確立していて好きなことがはっきりしていることや、変に男性ぽくないところや素直ですぐ感動するところ。私のことも「うわぁ、会えて嬉しかったぁ」とか「妊婦には見えない。素敵に見える。」なんて誰も言ってくれないことを言ってくれる。「太って、ブーになるのはこれからだよ」と答えながら人間、ほめられると正直嬉しいものだ。

ルンルン気分でバスに乗って家に着いて、パパにノベルトと何を話したとか食べたとか報告。「私って妊婦に見えなく、素敵だって・・・・」とわざと目をキラキラとさせ言ったら「ふ〜ん」と言われた。つまらないなぁ。しかしその後、トイレに入ったら食べ過ぎていて吐き気に襲われた。鏡を見たら私は確かに不細工なむくんだタダの妊婦だった。

それにしても褒め上手、料理の上手な男友達と心ひろい夫がいてありがたく思った。


ずいぶんと更新していないのは、最近の私は夜の9時には寝てしまうから。妊娠していから、眠くて眠くて仕方ない。たぶん、暇だったら一日中寝ていられる。でも眠りのほうは浅いらしく色つきの夢を毎日のように見ている。よく見るのが「海」の夢と「乗り物」の夢。最近の私は確かに海の上を走っている船みたいなもんだと思う。いつでも船酔い状態だ。それにしても夢で見る海はとても美しく妊婦らしい夢だと思う。

そして不思議なことに最近は妊婦ばっかり出会う。この間なんて偶然に車に相乗りした女性3人が3人とも妊婦だったのでみんなで笑った。
同じヨーロッパ圏に住む日本人の友達も妊婦でしかも私と予定日が2週間も違わないことを今日、知った。嬉しいニュース。


たいしたことではないのに私の育児のしかたが悪いとパパに言われ、夕方にベットの上で「妊婦ブルーだぁ、最低な夫。」と思いながら泣いていたら、パパは焦ったようだ。
「エリカは最高な母親だ」と正反対なことを口走りながら、花屋に行って花束とアイス屋に行って巨大なアイスを買ってきてプレゼントしてくれた。ヨーロッパの男たちはこの手口でなんとか丸くおさめようとする。私の方はちょっと泣いたくらいで突然、「最高の母親」になり、母の日のような扱いをされたことに唖然とする。喜んだのは大きいアイスを見たあまちゃん。ぴょんぴょん跳ねて、スプーンですごい勢いで食べていた。
「おいしい、おいしい」と嬉しそうに。こうなると「私がもらったアイスだって」と親子喧嘩もはじまりそうだった。

久しぶりに夜中に起きている私。今、こっちのテレビでは懐かしのフランス映画、「勝手にしやがれ」が放送されている。久しぶりの60年代のフランス映画、やっぱりお洒落でかわいいなぁ。

パパの勤めているシュタイナー学校は本日、20周年の創立記念日ということで一日中、学校ではイベントがあったよう。彼は一日カフェを保護者と開いたり、歌をうたったりと大忙し。学校側は本日のために記念アルバムを作成。各クラスごとの集合写真やら、旅行の写真やらが載っている。誰でもタダでもらえる。
私も「どれどれ、パパのクラスは・・・・・」と家で彼が持ってきたアルバムを見たけど、びっくりした。クラス集合写真なはずなのに38人の生徒に混じって、あまちゃんがアルバムの中で担任のパパに抱かれ、しかも口に指をくわえてまぬけ顔で写っている。「えっ」と思ったら、そういえば何ヶ月も前にあまちゃんパパと一緒に登校したことが一日だけあって、そのときたまたまクラスの写真撮影があったらしい。あまちゃん2歳のくせに一日、授業参加をし、さんざん邪魔して記念のアルバムに載っているなんてやっぱりちゃっかり者だぁ。

                     *

ここ何日か前に妊娠と発覚してから3回目の産婦人科に訪れた。産婦人科の女医さんは、あいかわらずお洒落で、とうにおばちゃんだが「森から抜け出てきた、妖精のおんなのこ」みたいな格好で仕事をしている。全身、緑で統一されていてふわりとしたフレアスカートに手には籠をぶら下げてさっそうと診察室に入っていく。確かに白衣を着ている先生よりも、患者のほうももよっぽど落ち着く気がする。

そして私のほうもやっとやっと、妊婦と正々堂々と認められた。というのも、やっと赤ちゃんの心臓が確認できたから。ソラマメのような胎嚢の中に見られた、点のような胎児の原型(胎芽)はやっと1.3センチだという。エコーで写されたそのちびちびちゃんのコピーをもらってウキウキで家路に帰った。1,3センチのちびちびちゃんがすでに心臓を持っているというのが不思議。予定日は4月の28日とのこと。その2日後はあまちゃんの誕生日なので、なんとか2日間我慢して同じ日にうまれてこないかなぁ。誕生日会は一緒で・・・なんて思うのであった。

どう考えても今の私「つわり」状態。こんなに「つわり」って辛いとは忘れていた。そんなこんなでぐったりとしている私に対して、2歳5ヶ月になるあまちゃんの方は元気で一日中ガサゴソガサゴソ動きまわっている。「ちょっと、休憩!ママは病気です!」と言ってみたけど全然わかってくれやしない。
しかも、最近の私はものすごく眠くて放って置いたら一日20時間眠れそうな勢い。眠すぎてあまちゃんが騒ごうがベットに入って夜の8時ごろから寝ていると、どうやらあまちゃんはベットのまわりで一人で遊んでからその後、私の上に倒れこんで電気をつけたまま寝ているよう。パパが後から電気を消してくれているらしい。朝も眠くて「ママは起きれないー」とまたベットに入り込む駄目駄目ママ。なんでこんなに眠いのかわからない。「ごめんよー息子よ」と思っているけど、「つわり」の時はだましだましやるしかないなぁと思っている。今日のお昼も公園に行っただけでぐったりとなって、パパに頼んでピザを焼いてもらった。楽している。

                               *

この間、気分はけっこう悪かったけど新鮮な空気を吸おうと近くの湖に行った。
普段なら湖と芝生しかないところですごいものを私たちは見た。湖の向こう岸を何気に見てみたら、びっくりなことに、ふたこぶラクダが二頭悠々と歩いているのが見えたから。「えっ!」と思って目を細めてよくよく見たらラクダの後ろに象までも歩いている。「はぁ」と思って向こう岸にまで近づいたら、どうやら単にサーカス団が動物を連れてきていたらしい。よくみたらテントが張ってあった。それにしてもライオンはいなかったけど、そのほかにも馬やらなんかわけわからん動物までもいて、人だかりだった。

一番、インパクトあったのはやはりインド象。でっかい。柵もなくサーカスのテントの裏でゴロンと芝生の上に寝ていて、サーカスの団員が象の足の裏を掃除していた。足の掃除と言ってもでっかいノミみたいので、足の裏のひびの所の汚れを「ホリホリ」とまさに彫っていた。なかなか見れない象のアップ。何にも言わないので、私たちのように見ていた子供、大人が「こんなに近くで象をみたことない」と言い出し、しまいには足やら鼻やら触りはじめた。すでに象クンは人気ものなりつつあった。

あまちゃんも調子付いて象に触った直後、おかしかったのがピカピカした服着たサーカスの女団長がテントからバッと出てきて、「あなた達サーカスも見ないで、私たちの動物を見まくっているけど、一人1ユーロ払ってよ!それぐらいしてもらうわよ!」と叫びはじめた。そしたら、象を見ていたおばさんが「あなたの言い分は正しい!私は2ユーロ払います」なんて言い出した。そしたら、団長の子供がさっとかごを持ってきて、お金を集めだした。

私たちはさんざん堪能したけど1ユーロも払わず。というかドイツに象が歩いていたら誰でも見てしまうに違いない。インドやタイならともかくして・・・・。払うべきだったのかな?

象とラクダが撮りたくてデジカメを取り出したら、「壊れているー」。こんな珍場面のときに。ということで、当分このブログも画像がないかもしれません。残念だぁ。

ブログを通して知り合いになったKIRIちゃん。ワーホリでドイツに一年間来ていて、いずれかはドイツでパン修行したいというがんばりやさん。ドイツのパン屋のシェフからは「是非、ここに修行に来て」と30人に一人の高倍率で言われるほどだったのに、肝心のビザが下りなくて泣く泣く日本帰り決定。そんなことをブログで知った矢先、本物のKIRIちゃんから電話がかかってきた。「もう、日本に帰るのでその前に一度、えりかさんに会たいのですけど」だって。

もちろん、オーケー。そして、本当に日本に帰る前日なのにKIRIちゃん、このうちのボロアポートに来てくれた。嬉しい!

もちろん顔も見たことなかったKIRIちゃんだったけど、不思議なことに雰囲気から何から何まで私の思っていた明るくて素直なイメージどおりの女の子だった。
そして遠いところから来てくれたのに、町も案内せず(案内するところがあまりない私の町)二人で話してばかりだった二日間。

それにしても、KIRIちゃん、本当にドイツパンが大好き!「パンの酵母菌(Hefe)の匂いを嗅ぐと落ち着く」「ドイツパンならなんでも好き。黒パンも・・・」「パン博物館、3回も入場しました」なんて私からは考えられない意見。(私のほうは黒パンだめ。Hefeの匂いで当然、落ち着かず。パン博物館よりはチョコレート博物館に反応)しかも、KIRIちゃん、ドイツの食べ物やドイツのうさぎのキャラクターまで色々と大好きみたい。大好きなことを話すKIRIちゃんの笑顔はキラキラしていた。
もうドイツ生活も長く、愚痴も多い私から見るとそんなこと語るKIRIちゃんがかわいく羨ましいかぎり・・・・・。
「KIRIちゃん、あなたの前世はドイツ人です」なんて江原チックに言ってみたけど、本当にKIRIちゃんがまたドイツの地に戻ってくることを願う私なのである。

KIRIちゃん、わざわざここまで来てくれてありがとう。またいつでも会いに来てね。おみやげのチョコとおもちゃもありがとう。大事に食べます。



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