この夏、病院に入院している友達が週末だけ休みをもらったとのことで、散歩がてらに我が家に寄ってもらった。「じゃあ入院見舞いのかわりにアイスパフェおごるから、一緒に食べにいこう。」と言ったら、「行く、行く」と友達が言った。本当は新しいアイスカフェのお店が近くにできたので私が行きたかっただけだけど、彼女も嬉しそうだ。

お店は必要以上に大きく、「サン・レモ」なんて洒落た名前をしていた。いつものように「アイスコーヒー」と言うとやっぱり「コーヒーフロート」が出てきた。ドイツにはなんであの日本の氷がカラカラ浮いているアイスコーヒーはないのだろう?ここに来て3年ほどはあの日本のアイスコーヒーが飲みたくてしょうがなかったが、今ではドイツのアイスクリームと生クリームが浮いた「アイスコーヒー」もまんざらでないと思う。
友達に「大きいパフェ食べなよー」と押し付けたら、「そんな大きいアイスは食べれない」と3つ小さいアイスの乗ったものと紅茶と注文していた。ひと口食べて「あっ、お酒の入ったバニラアイスだぁ。私ごのみの味だぁ」なんて言っていた彼女が少しかわいかった。

                      *


午後にパパがどうしてもプールに行くというので、今日は隣町の屋外プールに行くことにした。今年は少し工事したみたいで、子どものプールに砂利なんて敷き詰めて砂浜風になっていたりとなにやら新しくなっていた。むこうのほうであまちゃんが砂利で遊んでいるあいだ、読みそこなっていた「ギリシャ文化」の本を芝生に上にタオルひいて、誰にも見せれないビキニ姿で読みふけっていた。

パパいわく、ここでは大人のプールの方は自然の川の水を使っているとのこと。「エリカもいい加減水に入れよー」と言うので、ぽちゃりと水に浸かると、思った以上に気持ちよかった。クラゲのように水と一体化してしまったようだ。よく見たら小さな滝なんて作られていて、あまちゃんと滝の後ろに行って「ワニだぞー」なんて言ってはしゃいで遊んだ。私にとってはディズニーランドのジャングルクルーズ(と言ったはず)のつもりだったのだけど。

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夜は私の住んでいるビッテンの町の商店街に行った。どうやら小さなお祭りがあるらしい。誰が考えたのか祭りのテーマは「食卓の音楽」と言うらしい。商店街にずらりとテーブルが一直線に並んで、みんなディナーを各自、楽しんでいた。あるテーブルは銀行が顧客を招待してごちそうしていたり、他のテーブルは商店街のめがね屋がディナーしていたり、誰でも持ち込めてテーブルで食べれるようになっていた。

一番先端では、バンドがボサノバ音楽を演奏している。私達はラッキーなことに演奏しているすぐそばのトルコ料理やの席に座ることができた。ピザとアユランというトルコのヨーグルトを飲みながらボサノバを聞いた今日の夜だった。



こんなに長いテーブル。と思ったらテーブルがまだまだと続くのであった。



けっこう本格的でしょ?

ルドルシュタットの音楽フェスティバルで一番、私の中でヒットしたのは、夜の12時からお城の前で歌ったスザンヌ・ヴェガというこの日のためにニューヨークから来た小さな女性のシンガー。

耳の中でずっと聞いていたいような素敵な声をしていた歌手だった。私もビールを片手に、ちょっとほろ酔いながら聞きほれていた。あまちゃんも同行。さすがに、夜遅いのでベビーカーの中で眠っていたあまちゃんは、きっと夢の中で聞いていたと思う。


次の日、私達はフェスティバルを後にして本当の目的である、ベルリンよりさらに北にあるメックレンブルク地方のプラワー湖にむけて車を走らせた。湖の前にバカンス用の小さい家を借りて2週間休暇を楽しんだ。

私達だけでなくて、サーカスの曲芸を教えているクロードと彼の子どもと治療オイリュトミー家のスイス人のリリアーナと彼女の子どもも近くに家を借りて一緒にみんなで過ごした。

2週間も何をしたのか、時間があっという間に過ぎてしまったが、「夏休み」らしい夏休みとはこういうことなんだぁとうなずいている。

カヌー、ヨット、モーターボート、ゴムボート、ウインドサーフィンに毎日のように乗って夕日を見たり、小さな無人島に渡ってみたり、魚を捕まえたり、自転車を漕いで遠くまで行ったりした。

一人になったら、クロードに習ったサーカスのタマ投げの練習をしたり、アコーディオン弾いたり、岸で日光浴したりしていた。

色々なことがあって、今となっては何を書けばいいのかわからないので、私が旅行中に書いていた日記を少し写してみよう。

「2週目の水曜日。午後に一人で自転車を漕いで3,4キロほど離れた町にいった。もう何度も見た風景なのに、少し古いレンガの教会と家々の美しさにため息がでた。古くて崩れかけたレンガや石の町並みがすごい好きな自分に一人で納得。ピカピカしていてはだめだ。
 明日の食料のためスーパーに寄った、そして再び、自転車を漕いだら、風にそよいでいた麻のパンツがチェーンにからまったのか、チェーンがガチャリとはずれた。泣く泣く、3キロの道を重い買い物袋を持って、自転車を押しながら帰ることになった。通りがかりのおばさんに「チェーンが外れたの?それは大変ねー」など慰められながら。夕方で暑くなかったのが救いだった。ところで、私はこのドイツの夏だったら夜7時から8時頃がもっとも美しい時間だと思う。自転車を押しながら、横を見ると夕日が落ちる前の太陽が畑の向こうのほうからキラキラと強く輝いている。静かで不思議な感動が胸が包まれてボーっとしながら、ひたすら歩きまくった。2キロほど歩いてふと足もとを見たら、外れたチェーンの油が麻のパンツに真っ黒にこびりついてまったく惨めな姿になっていることに気が付いた・・・・・・」

今、この日記を読んでみて、ああ、こんなこともあったなーと思っている。まったく何でもない日だったけど、子育てから離れてウキウキして自転車を漕いでいたのは確か。そしていつものようにアクシデント。




この夏、ゴムボートを買った。



これが私の思い出の無人島。コール島という。木々が美しかった。



ヨットでおぼれかけた事件はみんな忘れないと思う。



サーカスの親子はやることが違う。



ちゃぷちゃぷと2歳児の大冒険。



男のロマンらしい。

フェスティバルの3日間、ルドルシュタットの町の原っぱに別に設けられていた「子供のためのフェスティバル」。よかったなー。やっぱり大人だけでなく子供も楽しまなくては。無料なところも良い。

センスのある子供のフェスティバル。楽しいし、美しいし、カラフルだった。



子どもたち、劇に熱中していた。



子どもがチェロを試して、弾けたら大喜びしてくれる。



こんな人がウヨウヨいる。



水遊びもできる。はだかでバシャバシャ。



素敵な椅子屋を発見。



パンも焼ける。



音楽バンドも来た。




ここは子どもが踊る場所。

音楽フェスティバルに入場すると、町の雰囲気はディズニーランドのカリブの海賊あたりといった感じだった。「なんかディズニーランドみたい・・・」とパパにつぶやくと「というか、ここは本物だから」と言う。さすが、ドイツ。
入り口近くにはバイオリンとアコーディオンとチェロのバンドが路上で演奏していて、人が輪を作っていた。なかなかの演奏だった。どうやら誰でも路上ではコンサートできるらしい。
だって子ども達だって、お小遣いを稼ごうと縦笛を吹いたり、曲芸をして人の目を引こうとがんばっていた。

そして、不思議な露店が色々と並んでいた。紙のおもちゃやらあやしい楽器やら靴など。でも私の目を引いたのは、頭のマッサージ器!
そのマッサージ器、見た目は泡立て器にそっくりである。しかし、底がつながってなく、開いている。そこから頭を入れられるようになっていて、ゴシゴシと頭皮を擦るらしい。「お試しください」と書いてあって、誰もがお試しできるようになっていた。

私はあいかわらずのお団子スタイルだったので、ちょっとお試しができなかったが、他の人を見てみるとなんとも気持ち良さそうである。というか、マッサージ器を試している人の顔がおかしくて、ずーっと見とれていた私達であった。

気持ちいいのか?何人かは本当に買っていて、キャンプ場のテントの前でゴシゴシとしていたのを後から発見。

ちなみに10ユーロ。1400円ほど。日本で売ったら売れるかなぁ?



お試しその1



お試しその2



お試しその3



お試しその4



お試しその5

引越しするかと思われるほどの荷物を車に載せて、2週間ほど家族で旅行。夏休みを満喫、満喫。もう、気が付いたらあっという間に2週間が過ぎてしまって・・・・・。
更新もまったくしなかったのに、この2週間以上、ここを覗いてくれた方々、ありがとうございます。けっこうな人数だったので驚いてしまいました。

ここ2週間ほどのドイツは本当に暑くて驚くほど。雨もほとんどふらないし、昼間は37度ほど。夏は短いと思っているのでクーラーなんて我が家にはあるわけがなく今も汗をかきながら、冷蔵庫にあった唯一の飲み物、ビールを飲みながら書いています。(だから、ちょっと酔っているかもしれません)

まず、私達が向かったのは知る人ぞ知るRudolstadt ルドルシュタットという町。ワイマールという有名な町の近く。そのルドルシュタットの町では毎年、夏にワールドミュージックのフェスティバルが3日間、おこなわれていて私達もそれが当然、目当てで町に降り立った。

それにしても、ルドルシュタットという町は何もしなくてもとっても美しくて小さい町。ドイツらしい建物が並び、町の真ん中にはお城がある。ただ単に町を見るだけで一見の価値あり。

それにしてもひっそりとした小さい町に、フェスティバルの3日間は信じられないほどの人が来るので、当然、ホテルもペンションも満室で優雅に寝る場所なし。ということで、私達も他の人と同様にテントを張って2日間寝ることにした。

この日のため、町はキャンプ場を設置。いっきに何千ものテントが張られている姿には私も圧倒された。みんな、コンサートを聞いたり、踊ったりしたあと夜中にこそこそとテントに入って、朝が来ると一斉に何千人も起きて、パンにチーズ挟んだりしたものとコーヒーをみんなで味わう。なんだか、外で食べるとなんでも美味しい気がした。
シャワー浴びるにも、トイレ行くにも長蛇の列。それでも、ちょっと変わった人とかいっぱいいて、いるだけで楽しかった。
日本人はまったくいない。ドイツ人が大半でフランス、オランダ人もちらほら。

当然、あまちゃんも初のキャンプ生活。初日の夜中に泣きまくったけど、他のベービー達や子どももテント暮らしをしていてて救われた。朝、起きたらあまちゃんもご機嫌になっていて、ふらふらと他の家族を訪れたりかなり楽しんでいたよう。

来年もこのフェスティバルはテント持参で3日間、楽しむぞと心に誓ったのであった。




キャンプ場の朝。


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