気が付いたらすっかり図書館から借りた本を返すのを忘れていて、慌ててドルトムントの図書館に行った。天気もグズグズと雨雲がかかっているので、散歩を急きょ変更。
すでに返却の期限は22日で過ぎていた。1ヶ月の返却期間を過ぎたらドルトムントの図書館では一冊につき1ユーロを罰金として支払わなくてはならない。もちろん、延長することもできたのだが・・・・。
こんな間抜けな人達は私達だけかと思ったら、春休みだったからか私達のほかにも本を返すのを忘れた人たちがけっこういた。
14ユーロの罰金を払って「もう危ないから本を借りるのはやめよう」と思いながらも美しく並べられた本を前に、やっぱりまたカゴにたくさん本を入れている私達。いっきに26冊も借りる。もっぱらパパの授業の資料に使う「植物学」の本だが・・・。

26冊の本をベビーカーに入れて、続いてその足で本屋にも行ってきた。一度行ったらこれまた何も買わずに出れないのが本屋。
それにしても、もしこれを読んでいる人でドイツに来たらぜひ大きな本屋に一度、行ってもらいたい。本屋で言えば、私はドイツの本屋のほうが日本の本屋よりまさっていると思う。心ひそかに感心しているのだ。
店舗には椅子もあって座りながら本を選べるし、大きい本屋ならぜったいカフェも付いている。エレベータも必ず付いているばかりでなく、ガラス張りの美しいエレベータであることが多い。ベビーカーを持った私も安心。ドルトムントの本屋ではなぜだか皮張りの茶色のソファもある。子どもの本のコーナーでは猫バスほどの大きさの車があって子供が中で遊べるようになっている。
ちいさなスペースだがサッカーゲームが出来るし、各階でミネラルウォーターも飲める。本だけでなくプレゼントに出来るような文道具や雑貨も買える。しかも店舗の作りがゆったりと美しいので、居心地がよい。それにしてもこんないい空間なのに、日本ほど人々が立ち読みしていないのはなぜだろう?

安売りもされていて、7冊ほど本を購入してみた。古典あり、小学生が買うようなエジプトのピラミッドの模型まで買った。べビーカーが本で埋もれてきた。

私達の新しい問題。こんなたくさんの本をいつ読むの?
日本から持ってきた本も読み終わっていないのに・・・。

春休みが終わってドイツに帰って気がついたけど、こっちもずいぶんと春らしくなってきた。木々は緑が美しく、その木にはピンクやら白やらと花ざかりである。
私が住んでいるビッテンの町はルール工業地域の一角であって、たしかに錆付いていて荒んだ町模様だが、5分ほど歩いただけで、白い花をたくさん付けた木の下でヒツジがのん気に休憩している光景や子ウサギが道端をぴょんぴょんしていたりする。本日、目についたのはいたるところにに大量のカタツムリ。
まぶしい緑の中を日本ではみんながびっくりするようなマウンテンバイクのようなタイヤがついたベビーカーをひっぱって、逃げようともしないカタツムリをつぶさないように歩いていた。

障害者のホームのお庭に久子ママと子どもを連れて、遊びにいった。ブランコも砂場もガーデンもある。おもしろいものもある。何本かの木の幹に小箱が付けられて、手をのばすと箱の中に手が入れられるようになっている。何が入っているかは触ってからのお楽しみ。誰が作ったのかそんなお楽しみ箱もある。

ここの庭で久しぶりの人にあった。私がここの「栗の家」で実習生として働いていたときの女性のシェフのマグダレーナだ。私は今では友達のノベルトが働いているので「さくらんぼの家」の方などは行くけど「栗の家」には行っていない。ここでは各家々ごとに15人ほどの障害者が住んでいて職員がいる。家ごとにシェフがいるのだが、マグダレーナは「栗の家」だけでなく全ての障害者の家をまとめるシェフとして働いている。この障害者ホームの一番の責任者といえる。

私が「栗の家」に通っていたときキビキビしていて大声を出す強気な彼女がすこし恐かった。尊敬するかたわらそんなドイツ人女性になれていなかったのである。
その後、私がまだいたあの最後の夏、彼女の夫が末期ガンとなり私がいる間に亡くなった。みんなが悲しみの中に陥って、私も葬式に参列したが、あえて黒い喪服でなくて夫が好きだったからとあえて真っ白なコットンのワンピースを着て、毅然と立っていた彼女がとても印象的だった。

本日、久しぶり見た彼女が確かにパートナーはいなくなったがあいかわらず大きな男性を相手にキビキビと指示している姿を見て嬉しくなった。

のんびり、のんびりカタツムリとその横でテキパキした彼女が働いていて・・・それでいてとっても調和した世界が横たわっているのを感じたのであった。

日本の実家の玄関から、まるまる24時間かかってようやくドイツのアパートに。
たった12日間の日本への帰国だったのですが、なんとも濃厚な日々だった。日本に着いてまもなく乳母車をひきながらバックパッカーのリュックを背負って箱根、京都に旅行。こんなもんだからバスに乗るの断られたり、ロープウェイに乗るたびにめんどくさかったが本当におもしろかったな。
その合間に弟と彼女の「こしひかりちゃん」のところに遊びに行ったり、小学校以来の親友のところにおじゃましたり、パパの始めた弓道の弓具を買っていたらすぐさま帰国になってしまった。
旅はしたいし、家族とも話したい、友達とも会いたいと欲張っていたら、ヘトヘトになってしまって移動中にキヨスクでどこかのサラリーマンのように栄養ドリンクを買っている自分がいた。それでも会いたい人ややりたいことは半分しかできなかった。それにしてもなんせ2歳児になろう子どもがいるから疲れるのはあたりまえなのであった。

その間、ブログのことはすっかり忘れてしまった。しかもデジカメの接続部分のカーベル(日本語でもカーベルというの? )を日本に忘れてしまって写真が見れないのが残念。またそれらが送られてきたらゆっくりと画像はアップしようと思う。そのときに色々と旅行のことを書きたいと思う。

それにしても、日本からドイツに戻ってきた土曜日の夜のこと。空港から電車に乗って思ったのがなんともまぁドイツの電車の中は殺伐としていて汚いのであろう。(といっても色々な種類があるので私達の乗り合わせた電車のこと)ごみは飛び散っているし、窓には落書きがしてあった。そんな汚い中、あまちゃんは床にころがってはしゃいでいた。ちょっとおかしな人が来てわざわざゴミを私たち座っている座席の横のゴミ箱に捨てたのはいいけど、蓋もしめずごみを撒き散らした。「ゴミを捨てたのならちゃんと蓋をしろ!」とパパが怒った。
その横では穴が開いたボロボロのジーンズを着た若い酔っ払いが罵声をあげて私達の横を過ぎ去った。こんなことは日本では考えられなかった。「ドイツって国は本当に先進国なのか?カルチャーショックだよ」とパパがつぶやく。

ドルトムント駅に着いてもあんなに大きな駅なのにエレベーターがないので乳母車で階段を登るのが苦しい。そのほかにスーツケースとリュックと旅行カバンを持っていた私達。何とかホームにたどり着いたら
アナウンスが流れ「ビッテン行きの電車は今日は走りません。」と言う。またもや重い荷物とともに階段を降りなくてならなかった。

土曜の夜にアパートに着いたが、次の日の日曜日はスーパーマーケットはもちろんのこと、お昼までレストランもしまっている。お腹がすいた。冷蔵庫は空っぽ。
日本だったらコンビニがあるだろうに・・・。とすでに日本が恋しくなった。

時差ぼけとハードな旅行だったので突然、がっくりとしてしまったのか眠い、眠い。ずーっと寝ていた。このまま起きれなくなってダメ人間になってしまったらどうしようなんて思ってしまった。

さっき、ここから近い植物園に家族で行って、美しい木々を見ながらコーラ飲んでいたら少しずつ正気が戻ってきたのであった。
よかった。

あと、何時間かで空港に向かうのですが、
なんと今になってドイツパパのパスポートの期限が切れていたことが判明!こんなことってあるの?冷や汗、タラタラ・・・・。
パパは日本に入国ができるのだろうか?さっき大使館に電話したらなんとかなると言われたけど、最初からこんなです。日本はEU圏でないのである。パスポートは必要。もうダメだったらパパ無しで飛行機乗るかも。

あまちゃんのためにはこっそりと買った絵本をバックの中に忍ばせた。これだけじゃダメだろうなー。飛行機でいいこにしてくれるにはおもちゃやおやつも必要だな。

ドッタンバッタンとしておりますが、日本に帰国するので更新は少しお休みします。22日に帰る予定ですが、もしかしたら、私とあまちゃんだけ延長するかもしれません。そうしたら、会いたかったお友達にも会えるかも?まずは行きの飛行機の様子を見てから考えることにします。

桜はまだ残っているのかな?久しぶりの日本が楽しみです。

もうすぐ日本に帰国するわけだけど、2才前の動くことが大好きな息子とまだ日本に来たことのない日本語ゼロな夫と一緒。しかも、ほとんど友達に会えそうもないハードなスケジュール。何をするって日本を知ってもらおうと、家族で旅館に行くんだけど、本日、その夫であるパパに日本の旅館とは何か?と示すためにパンフレットを見せたら「値段が張るわりに、部屋に椅子がないなんて・・・」とわけわからないコメントをもらった。日本に帰った際には彼が色々とカルチャーショックを受けるのをこっそり見てよう。
ドイツ人と話していると「日本にはカプセルのホテルがあるんでしょ?」とか「プールに入る前には消毒液にお尻をつけるんでしょ?」とかひどいのは「虫を食べるんでしょ?」など意外なことを聞かれてちょっとクスッと笑ってしまう。

そうそう。旅行に関して一つ問題が解決。それは誰が私達の猫の世話をするのかっていうこと。ラッキーなことにパパの同僚の17歳の娘さんが「赤ちゃんと猫が大〜好き」ということで面倒を見てくれることになった。この間、その彼女があまちゃんと猫の両方を見にきてくれたのだけれど、おかしいのは、それからあまちゃんが忘れられないらしく、家に帰ってからあまちゃんの事ばっかり家族に話しているらしい。いつかベビーシッターもお願いしちゃおう。しめしめです。

旅行好きのドイツ人はこのように、けっこう気楽に猫や植物や花など留守の間見ていてくれる。ご近所ネットワークだ。

ということで、午後はかわいい愛猫のためにペットショップに行って20キロの砂袋や爪とぎを買った。あとは猫においしい餌も必要と思った私はあきないように色々な種類の缶詰を買おうと思いたち、わざわざ別々スーパーを3件まわった。にゃんこよ、味比べをしてねと思いながらベビーカーと一緒にグルグルまわって自宅に着いたときは少し疲れてしまった。

家に着いて、パパと話込んでしまって、あまちゃんの靴を脱がすのを忘れて、ふと見たら彼の足には一足しか靴がおさまってなかった。床を見ても、靴が見つからなかった。「道でなくしたよー。あの靴って高いし、かわいかったのに」と思ってまたもや3件のスーパーに逆戻り。スーパーと行ってもアメリカから来た
大型スーパーもあって広い広い。いちいち店員さんに「息子の靴がなくなってしまって・・・」なんて聞きまわっても全然見つからなかった。本当にミステリ−だなぁなんて道路も隅々見ても見つからず。本当にへとへとに。

・・・・さっきあきらめた頃、なんとその問題の靴が見つかった。あまちゃんがタンスの下に隠していたよう。なぁんだ、私のミステリーはあっさりと終末を迎えたのであった。



うちのおかめにゃんことパパ。なにをしているって猫が日光浴。こんなうす暗いドイツにたまに光が差してくるのであった。


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